Xpdf

Xpdf

Xpdf は X ウィンドウ上で動作する PDF ビューアです。 大変シンプルで軽快に動作します。また特別なフォントを必要としません。

右図で表示しているのは 結城浩さん が翻訳された、オー・ヘンリー作 賢者の贈り物 の PDF 版 magi.pdf です。

作者: Derek B. Noonburg さん
ホームページ: http://www.foolabs.com/xpdf/
バージョン: 2.02pl1 (2003/06/16)
ライセンス: GPL

xpdf-2.02pl1 は LinuxMLD 7 では標準でインストールされています (バージョン 2.0 から Motif® ベースになりました。それとは無関係ですが日本語の表示はかなり良くなったようです)。
MLD 6 では xpdf-0.92 が標準インストール、 MLD 5 では xpdf-0.91 が収録されています。

使い方

PDF (Portable Document Format) は、Adobe 社 の Acrobat が生成するフォーマットです。プラットフォームに依存しない、Acrobat Reader が無料で配布されている等の理由で急速に普及しました。 論文や資料など探していて、ファイル名が .pdf のものがあったらそれが PDF です。

MLD 7 で Gnome を使用しているなら、メインメニューの「グラフィックス」 にある「PDF Viewer」が Xpdf のメニューです。

MLD 6 では「プログラム」→「グラフィックス」 の「xpdf」です。 MLD5 では「プログラム」→「アプリケーション」になります。

ターミナル・エミュレータからは

$ xpdf [PDFファイル名]

で起動します( [ ] は省略できることを示します)。

メニューから起動した場合は当然何も書類を開かない状態で起動します。 ウィンドウの適当なところでマウスの右ボタンをクリックすると Xpdf のメニューが出ます。「Open...」を選択するとファイル選択のダイアログが開きます。 (ファイル選択ダイアログのキーボードショートカット 'o' でも開きます。)

ブラウズには画面下に並んでいるボタンを使います。

左の方に並んでいるボタンはほぼ自明でしょう。 double left arrowdouble right arrow は 10 ページ分の早送りです。その外側にあるボタン back arrowforward arrow で履歴を辿ることができます。 「Page」の表示部分に直接数値を入力すればそのページに飛ぶことができます。 その右にあるのは順に ZOOM の指定、文字列検索、印刷 (PS ファイルの出力)、 簡単なヘルプ、一番右が終了です。 検索は文字列入力のダイアログが出ますが 日本語の入力はできないようです。英字の大文字小文字は区別されません。

実は PDF ファイルを「見る」だけなら gv (Ghostview) で出来ます。文字列検索できるのが Xpdf の値打ちです。

印刷では PS に変換されますが、日本語は元の PDF にフォントが埋め込まれていない場合には 必要なフォントを探し出せずに文字化けしてしまうようです。 印刷は gv に任せた方がよさそうです。

バージョン 0.9x では PS 出力の日本語部分はフォント指定が Ryumin-Light-RKSJ と Shift-JIS で出力され、わたしの環境では印刷できませんので確認できませんでした。

マウスの中ボタンを使って pan できます。つまり中ボタンを押したままマウスを動かすと 表示がマウスにつれて移動します。

左ボタンでテキスト部分をドラッグして矩形に囲むと内部のテキストが X Window のセレクションになり、他のアプリケーションにペーストすることができます。

日本語はうまくペーストできません。 どうも xpdf の作者はセレクションでの非アスキー文字列の扱いを 十分には理解していないみたいです (非アスキー文字列はコンパウンドテキストで渡さなければなりません)。

Xpdf のパッケージには他に、pdftops (PDF から PS に変換)、 pdftotext (テキストに変換)などのツールが附属しています。 pdftotext は、例えば、

$ pdftotext -enc EUC-JP magi.pdf

とすると magi.txt を作ります (オプション -enc は文字のエンコーディングを指定します。 バージョン 0.9x では -eucjp を指定します)。 第2引数を付けるとそれがテキストファイル名になります。

インストール

LinuxMLD 7 および MLD 6 では標準インストールされています。

MLD 5 では Disc3 に収録されています。 rpm コマンドでインストールするには Disc3 を マウントして

# rpm -i /mnt/cdrom/RPMS/xpdf-0.91-1.i386.rpm

とします。

参考

Web 上の参考になるページを御紹介します。

[2001/03/05 作成] [2004/04/15 更新]


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