XEphem はインタラクティブな天体暦 (ephemeris) プログラムです。 望遠鏡の制御ができるなど、天体観察を支援します。 XEphem が提供する情報は科学的にも正確なものですが、 天文についての特別な知識がない人でもプラネタリウムとして十分楽しめます。
(右図をクリックすると大きく表示します。)
作者: Elwood Downey さん
ホームページ:
http://www.ClearSkyInstitute.com/xephem/
バージョン: 3.5.2 (2002/01/08)
ライセンス: distributable for personal non-profit use
(附属の Copyright)
XEphem は Motif® を使ったアプリケーションです。 Motif については Open Motif のページを参照してください。 LinuxMLD 7 では Open Motif 2.2 が標準でインストールされています。
XEphem は個人での非営利な使用は自由ですが、 再配布などは無条件ではできませんのでご注意ください。 「Linux で科学しよう!」での配布は Downey さんの許可を頂いています。
インストールすると MLD 7 ではメニューの「アクセサリ」→「他のアクセサリ」に XEphem が追加されます。
「アクセサリ」じゃ何だか変だけど、他に適当な分類が無いんです。 MLD 5,6 では 「プログラム」→「アプリケーション」に追加されます。
ターミナル・エミュレータからは
$ xephem
で起動します。
最初に観測地点を設定しましょう。デフォルトでは "Chicago, Illinois" になっていますから、そこをクリックすると都市の一覧が出ます。 日本では東京と札幌が登録されています。 自分の住んでいる場所を正確に登録したい場合は ヘルプを参照してファイルを用意してください。
リストから場所を選択したら、Set ボタンをクリックし、Close
します。メイン画面で「NEW CIRCUMSTANCES」がブリンクしていますから、一番下の
Update ボタンをクリックします。
さっそく天体観測してみましょう。
メイン画面のメニューの View から Sky View... を選択します。
「今夜」の夜空が見たければ
Local Time: のところをクリックして時刻を設定しておきます。
このページの先頭にあるような画面が表示されたでしょう。
回りにあるスライダーを操作すると拡大したり見る位置を変えたり出来ます。
右側の上から4つ目のボタン (Draw region of interest) をオンにしておけば画面の一部を左ボタンでドラッグして Zoom in ボタンをクリックすることでその範囲が拡大できます。 右ボタンでクリックすればその位置の星などの情報が表示されます (右ボタンを長めに押して離すとポップアップウィンドウは閉じます)。
最初からパッケージに付属しているデータはあまり多くありませんが、 インターネットに接続しているなら Control メニューの Field Stars... で Internet to xephemdbd をチェックしておくと必要な都度データを読み込むようになります。
次はメイン画面の View メニュー から Solor System... を選択してみましょう。 惑星の位置関係が表示されます。Control メニューから Movie Demo を選択すると動きます。
右図で設定しているのは、約
6万年ぶりといわれる、地球が火星にもっとも接近する日時です。
(このページの先頭の図は、火星が東京に最接近する時刻です。)
月や主な惑星の画像もメイン画面の View メニューで選択できます。 火星なら Mars... を選択すると次のような画面が表示されます。
画像を左ボタンでプレスするとその付近が部分拡大されます。
右ボタンでクリックするとその場所の情報が得られます。
その他、多くの機能があります。例えば Wisconsin-Madison 大学の Space Science and Engineering Center が提供するデータを参照して現在の気象を表示します (メイン画面の View メニューで Earth... を選択し、出てきた Earth View ウィンドウの View メニューで Weather map を選択します)。
丁寧なヘルプが各画面に用意されているので、 それを参照しながら存分に楽しんでください。 XEphem のホームページ ではいろいろなスクリーンショットを見ることができます。 PDF フォーマットのマニュアルもホームページから入手できます。
パネルの色やフォントなどは Preferences メニューの項目で変更できます。設定を保存するには Preferences の Save... で行ないます。デフォルトでは ~/XEphem ディレクトリが作成されますが、 このディレクトリは ~/.xephemrc に、例えば
XEphem.PrivateDir: ~/.xephem
のように設定すれば変更できます。
LinuxMLD 7 では
Open Motif 2.2 が標準でインストールされていますので
xephem-3.5.2-1_mlb2.i386.rpm (2,113,859 bytes)
をインストールします。
rpm コマンドでインストールするにはスーパーユーザになって
# rpm -i xephem-3.5.2-1_mlb2.i386.rpm
とします。
MLD 5,6 では xephem-3.5.2-1_mlb1.i386.rpm (2,162,562 bytes) をインストールしてください。
MLD 5 では先に Open Motif
をインストールする必要があります。
MLD 6 では Motif 互換の lesstif が標準インストールされていますので、
上記 RPM はそのままインストールできます。ただし、ちょっと試した限りでは
サブウィンドウをタイトルバーの × ボタンで閉じようとすると
ウィンドウ枠が残る不具合があるようです。
Open Motif をインストールする場合は
先に lesstif をアンインストールする必要があります。
XEphem は、望遠鏡の制御ができます。配布ソースには参考として Meade LX200 のためのプログラムが含まれています。 また各種天文データの変換プログラムも含まれています。 これらに興味のある方は XEphem のホームページ からソースコードを入手し、ビルドしてください (xephem-3.5.2-1_mlb2.nosrc.rpm あるいは xephem-3.5.2-1_mlb1.nosrc.rpm を参考にしてください)。
MLD5 で XEphem をインストールすると Gnome
のアプリケーションメニューには「XEphem」が2つ出て来ます。これは MLD5 の
gnome-core パッケージに XEphem のメニューファイルが含まれているためです
(Gnome チームに XEphem のファンがいるのでしょうか)。気になる方は
/usr/share/gnome/apps/Applications/XEphem.desktop
を削除してください。
Web 上の参考になるページを御紹介します。
その他のアプリケーション
作者のページ http://hirame.hiram.edu/~worleyam/ は消滅しています。 GNU のページ をご覧ください。