Science-Pack CD-ROM では、収録アプリケーションを展開した形態でも納めており、これを利用して、RPM をインストールしなくても CD-ROM から直接実行することができるようにしています。
LinuxMLD 6 では普通に CD-ROM をマウント して CD-ROM デバイス上のファイルを実行できます。 ただし、いくつかのアプリケーションではライブラリの追加インストールや 設定の変更が必要です。 Linux MLD6 での Science-Pack の動作について を参照してください。
LinuxMLD 5 の場合、デスクトップのアイコンによる通常の CD-ROM のマウント では CD-ROM デバイス上のファイルを実行することはできない設定にしていますので、 スーパーユーザになって
# mount -o exec /mnt/cdrom
でマウントします。
/etc/fstab
の
/dev/hdc /mnt/cdrom iso9660 noauto,user,ro 0 0
という行で noauto,user,ro
という部分に exec
を追加して noauto,user,ro,exec
と変更すると
デスクトップのアイコンによるマウントでも CD-ROM 上のファイルを実行することが
できるようになります。
詳細は mount(8)
のマニュアルページをご覧ください。
アプリケーション xxx
を実行するには
$ /mnt/cdrom/try/xxx
とします。あたかもインストールしているかの
(つまり xxx
だけで起動する)
ようにするには、
/mnt/cdrom/try
を環境変数 PATH に加えてください。具体的には、
$ PATH="$PATH:/mnt/cdrom/try"
を実行するか、~/.bash_profile
に書き加えます。
アプリケーションは、/mnt/cdrom/BIN/
以下に展開されていますので、
例えばドキュメント中に /usr/share/xxx ...
というような表現があったら、
/mnt/cdrom/BIN/usr/share/xxx ...
と読み替えてください。
マニュアルページは環境変数 MANPATH
を
MANPATH=":/mnt/cdrom/BIN/usr/share/man:/mnt/cdrom/BIN/usr/X11R6/man"
のように設定しておけば通常通り読むことができます。
info は、環境変数 INFOPATH
を設定するか、
$ info -f /mnt/cdrom/BIN/usr/share/info/xxx.info.gz
のように直接ファイルを指定して読むことができます。
Try! on CD は、アプリケーションを
RPM から CD-ROM に展開し、それを実行できるようにするという新しい試みです。
目指したのは、CD-ROM をどこにマウントした場合でも
動作することですが、いくつかのアプリケーションは自分が使うデータの
ディレクトリをビルド時に固定してしまいます。
よって、次のアプリケーションは、CD-ROM を /mnt/cdrom
に
マウントするのを前提に、専用にビルドしています
(この実行バイナリは try/local
に置いています)。
次の3つは日本語のローカライズを活かすために
/mnt/cdrom/
専用にビルドしています。
さらに、一部のアプリケーションは設定ファイルを置き換えることで CD-ROM 上で実行できるようにしています。
以上のアプリケーション以外は、try
ディレクトリに置いた
shell script に
よって環境変数を適切に設定することで、CD-ROM のマウントポイントによらず
実行できるようになっています。
Science-Pack の初版では
Motif を利用するアプリケーションは openmotif を static-link した
専用のバイナリを try/local
に置いていましたが、
環境変数 LD_LIBRARY_PATH の設定により CD-ROM 上の共有ライブラリを
使うよう変更しました。
なお、HTML ブラウザとしてデフォルトでは netscape を設定している
アプリケーションがいくつかあるのを考慮して、
netscape から mozilla へのラッパーを try
ディレクトリに
置いています(netscape がインストールされているなら
本当の netscape が起動します)。