MOPAC7 for Linux は James J. P. Stewart さんによる半経験的分子軌道法プログラム MOPAC (1983- ) の Public Domain 版 MOPAC7 (1993) を Linux に移植したものです。
移植者: Istvan Cserny さん
入手先:
ftp://esca.atomki.hu/mopac7/LINUX/
バージョン: 7.01-4 (2000/01/24)
ライセンス: Public Domain
付属ドキュメント README を読む
いつのまにか SourceForge に mopac7 プロジェクト が出来ていました。
MOPAC の歴史は長く、製品版は MOPAC93、MOPAC97、MOPAC 2000、2002 と 現在も改良が行われています。MOPAC7 は MOPAC93 の直前のバージョンに 対応するようです。そのほか Windows 版、Macintosh 版など様々なバージョンが あります。
インストールしたら、 ターミナルから起動してみましょう。コマンドは mopac です。
$ mopac No such file - .dat - exiting!!
おっと、入力データが必要なのでした。
サンプルおよびテスト用のデータが
/usr/share/doc/mopac-7.01/tests/
にあります。
テスト用のディレクトリを作って、データをコピーしてきましょう。
$ cp /usr/share/doc/mopac-7.01/tests/test_pol.dat . $ cat test_pol.dat polar SYMMETRY Formaldehyde, for Demonstration Purposes O C 1.2 1 H 1.1 1 120 1 H 1.1 0 120 0 180 0 2 1 3 3 1 4 3 2 4 0 1 1 0.001 500 150 0.001 $ mopac test_pol Mopac job test_pol started Mopac job test_pol has finished $
これで 計算結果 test_pol.out
と
サマリー test_pol.arc
ができます。
MOPAC7 は、自身ではグラフィカルなインターフェースを持っていません。 例えば Viewmol は MOPAC7 の計算結果をグラフィック表示できます。入力データを作るのにも 使えます。
$ viewmol -mopac test_pol.out
LinuxMLD 5,6,7 用の RPM
mopac-7.01-4_mlb1.i386.rpm (439,087 bytes)
をインストールします。
rpm コマンドでインストールするにはスーパーユーザになって
# rpm -i mopac-7.01-4_mlb1.i386.rpm
とします。
MLD 5,6 では
Gnome の GUI でインストールすることもできます。
ドキュメントは、James J. P. Stewart さんによる TeX で書かれたマニュアルが
ftp://esca.atomki.hu/mopac7/LINUX/ から入手できます。
mopac7-man.tar.gz
を get してください。
mopac.dvi
を 直接 xdvi で開くか、dvips で
Post Script に変換 (157 ページになります) します。
このマニュアルの HTML 版は次のサイトなどで公開されています。
プログラム mopac
(/usr/bin/mopac
) は、
実際のプログラム MOPAC7
を呼び出すためのシェルスクリプトです。
必要に応じて修正してください。
MOPAC7 は fortran77 で書かれています。
Cserny さんの配布パッケージでは f2c でコンパイルするようになっていますが、
MLD では f2c は収録していないので
g77 でコンパイル
できるようメディアラボで修正を加えています。
なお、扱える原子数は、重原子(水素以外)数=60、水素原子数=60 に設定しています。
メモリー(+swap) は 80M 程度必要です。
Web 上の参考になるページを御紹介します。
SourceForge.net: mopac7 の mopac7-1.11 のインストールを紹介されています。
Windows版ですが MOPAC の使い方、使用例の解説があります。
リンクを辿っていくと MOPAC 概論 のページがあります。 歴史や開発者、ハミルトニアンの評価 (MINDO/3, MNDO, AM1, PM3) などが 解説されています。
関連アプリケーション
オープンソース版の Open Babel (→ 解説ページ) というプロジェクトもあります。
Computational Chemistry List (CCL) には多くの計算化学ソフトウェアがアーカイブされています。