IPC (Isotopic Pattern Calculator) は、 与えられた化学組成式から同位体の質量スペクトルを計算します。 計算結果は gnuplot を用いてグラフ表示することができます。
(右図をクリックすると大きく表示します。)
作者: Dirk Nolting さん
ホームページ:
http://isotopatcalc.sourceforge.net/
バージョン: 1.1 (2001/09/11)
ライセンス: GPL
付属ドキュメント README を読む
インストールしたら、 適当なターミナル・エミュレータから
$ ipc -c "CCl4"
のように オプション -c
の後に計算したい組成式を指定して
起動します。結果はつぎのようになります。
M= 151.875420, p= 3.218328e-01, rel. Int.= 77.165917% M= 152.878770, p= 3.612442e-03, rel. Int.= 0.866156% M= 153.872460, p= 4.170660e-01, rel. Int.= 100.000000% M= 154.875810, p= 4.681396e-03, rel. Int.= 1.122459% M= 155.869500, p= 2.026798e-01, rel. Int.= 48.596584% M= 156.872850, p= 2.274999e-03, rel. Int.= 0.545477% M= 157.866540, p= 4.377577e-02, rel. Int.= 10.496124% M= 158.869900, p= 4.913652e-04, rel. Int.= 0.117815% M= 159.863580, p= 3.545588e-03, rel. Int.= 0.850126% M= 160.866940, p= 3.979778e-05, rel. Int.= 0.009542% Number of permutations: 10 Computing time: 0 seconds.
gnuplot でプロットするには
$ ipc -c "CCl4" -g tetra
のように オプション
-g
でプロット用に作成するファイル名を指定します。
作成されるファイルは、この例ではプロット用データファイル
tetra
および
gnuplot のコマンドファイル tetra.gnu
です (プロットでは強度が 0.01% 以下はカットされます)。
実行例はこのページ先頭のスクリーンショットを見てください。
実行後に再度プロットするには
$ gnuplot tetra.gnu
のようにします。
IPC
の作者は oligopeptide の研究をされているようで、オプション
-a
を使ってアミノ酸を 1 文字の略記号で指定することができます
(オプション -c
の併用もできます)。
この場合、オプション -s
を指定すると組成式を表示するので、便利です。
$ ipc -a GW -s Chemical formula: C13 H15 N3 O3 M= 261.111340, p= 8.479478e-01, rel. Int.= 100.000000% M= 262.108380, p= 9.447176e-03, rel. Int.= 1.114122% M= 262.114700, p= 1.237323e-01, rel. Int.= 14.591971% M= 262.115560, p= 1.019985e-03, rel. Int.= 0.120289% M= 262.117620, p= 1.272049e-03, rel. Int.= 0.150015% M= 263.111730, p= 1.378529e-03, rel. Int.= 0.162572% M= 263.115590, p= 5.099927e-03, rel. Int.= 0.601443% M= 263.118050, p= 8.333068e-03, rel. Int.= 0.982734% M= 263.118910, p= 1.488360e-04, rel. Int.= 0.017552% M= 263.120970, p= 1.856170e-04, rel. Int.= 0.021890% M= 264.115080, p= 9.284057e-05, rel. Int.= 0.010949% M= 264.118940, p= 7.441798e-04, rel. Int.= 0.087762% M= 264.121400, p= 3.429628e-04, rel. Int.= 0.040446% Number of permutations: 8960 Computing time: 1 seconds.
(permutations の 8960 は、14 * 16 * 4 * 10 ですが、分かりますか?)
IPC
は、分析装置の分解能を直接には考慮しませんが、オプション
-d
で質量の小数点以下の桁数を指定することができます
(指定しない場合のデフォルトは 5 桁です)。
指定の桁数で同じ値になる質量ピークは一つにまとめられ、強度は加算されます。
LinuxMLD 5,6,7 用の RPM
ipc-1.1-1_mlb1.i386.rpm (20,108 bytes)
をインストールします。
rpm コマンドでインストールするにはスーパーユーザになって
# rpm -i ipc-1.1-1_mlb1.i386.rpm
とします。
MLD 5,6 では
Gnome の GUI でインストールすることもできます。
指定できる元素 (データが用意されている元素) は
H, C, N, O, F, Na, P, Si, S, Cl, Ni, Br, I です。
同位体のデータファイルは
/usr/share/ipc/
elemente
です。
追加方法は同じディレクトリの
ADDING_ELEMENTS
に説明があります。
Web 上の参考になるページを御紹介します。
Web 上で同位体パターンが計算できます。
質量分析計について
同位体のデータ (GPeriodic のページも参照してください。)