Eukleides
は初等幾何図形を簡単に描くことができる言語です。
コンソール・ベースの
Eukleides コンパイラ eukleides
は
PSTricks
マクロによる TeX ファイルを生成します。
X のウィンドウに表示する xeukleides
プログラムを使うとインタラクティブに編集、プレビューができます。
作者: Christian Obrecht さん
ホームページ:
http://www.eukleides.org/
バージョン:
eukleides: 1.0.0 (2004/05/12)
xeukleides: 1.0.0 (2004/05/12)
ライセンス: GPL
eukleides の READMEを読む
xeukleides の READMEを読む
バージョン 0.3.4 までは euklides という名前でした
(どちらもユークリッドのことです)。
eukleides
と xeukleides
は別々に配布されていますが、ここではひとつの RPM パッケージとしています。
ソースは CTAN (国内のミラーは、例えば
Ring Server)
からも入手 (support/eukleides/) できます。
CTAN については例えば奥村さんが主催する
TeX Wiki
の
CTAN とは? をご覧ください。
インストールしたら、まず
xeukleides
を動かしてみましょう。
ターミナル・エミュレータから
$ xeukleides
で起動します。
起動するとテキストを入力するウィンドウが開きます。 簡単な例として三角形を描いてみましょう。次のように入力します。
A B C triangle draw(A, B, C)
これだけで「適当に」三角形 ABC を描いてくれます。 図形を表示するには View メニューの Figure を選択します。 または Esc キーを押しても切り替わります。
三角形の各辺の長さを指定するなら
A B C triangle(3,4,5)
のようにします。 デフォルトでは辺 AB は x 軸に平行になりますが、 角度を指定することもできます。
Eukleides の文は代入文またはコマンドです。
一行に複数の文を書くときは ;
で区切ります。
A B C triangle
は、変数 A, B, C に三角形を作るような点を代入するマルチ代入文です。 もちろん座標値を使って
A = point(1,1) B = point(5,1) ...
のようにもできますが、Eukleides はできるだけ座標値を直接扱わなくて済むようにできています。
Eukleides のホームページ ではいくつかの サンプル が紹介されています。
普通のドローイングソフトでは面倒な、円の接線や内接円なども Eukleides ならいとも簡単に書くことができます。
Eukleides で書いた図形を
TeX に変換するには eukleides コマンドを使います。
結果は標準出力に得られます。
このページの先頭の図の Eukleides ソース
feuerback.euk
を TeX に変換してみましょう。
$ eukleides feuerback.euk > feuerback.tex
生成される TeX では、 PSTricks パッケージのマクロが使われるので、なければインストールしておきます (MLD 6、MLD 7 の tetex には PSTricks が含まれています)。
直接 PostScript ファイルにしたい場合は、シェルスクリプト euk2eps が用意されています。
$ euk2eps feuerback.euk This is eukleides version 1.0.0 Copyright (c) Christian Obrecht 2000-2004
これで feuerback.eps
ができます。
このページ先頭の図は gv で表示したものです。
フォイエルバッハの定理は
「三角形においてその九点円は内接円に内接し傍接円に外接する」
というものです。九点円とは
「三角形の三辺の中点、三本の垂線の足、三頂点と垂心の中点は同一円周上にある」。
feuerback.euk
ではそのうち三辺の中点と三本の垂線の足を描いています。
euk2edit というシェルスクリプトも付属していますが 使用するには pstoedit が必要です (残念ながら MLD には含まれていません)。
LinuxMLD 5,6,7 用の RPM
eukleides-1.0.0-1_mlb1.i386.rpm (130,747 bytes)
をインストールします。
rpm コマンドでインストールするにはスーパーユーザになって
# rpm -i eukleides-1.0.0-1_mlb1.i386.rpm
とします。
MLD 5,6 では
Gnome の GUI でインストールすることもできます。
locus.euk
では
外側の円をトレースして内側の円を描いています。
eukleides
、xeukleides
それぞれに man page
がありますが、言語の詳細説明は TexInfo で用意されています。
$ info eukleides
として読むことができます。Info は gnome-help から参照することもできます。 HTML バージョンは Eukleides のホームページから入手できます。
xeukleides
には、数値変数の値をカーソルキーを使って
インタラクティブに増減できる面白い機能があります。
x interactive(5, 0.5, "A", up)
という代入文は、初期値として変数 x に 5
を与えますが、キーボードの「a」を押してからカーソルキーの
up/down を押すと 0.5 きざみで変数 x の値を増減し、図形を書き直します。
eukleides
では単に初期値の代入が行なわれます。
上の例で "A" はこの対話的代入に付けた名前で、
大文字のアルファベット一文字で指定します。
ただしキーボードでの切り替えは小文字 (Shift キーは押さない) です。
最後の引数で up ではなく right と指定すると right/left キーで増減します
(合計 52 個の変数をインタラクティブに増減できることになります)。
interactive
の使用例:
x interactive(5, 0.5, 1, 10, "A", right) y interactive(4, 0.5, 1, 10, "A", up) A B C D parallelogram(x, y, 105:) ; draw(A, B, C, D)
ここでは下限と上限も指定しています。
View メニューの Snapshot は、インタラクティブな代入の初期値を現在の値で書き換えます。
幾何図形に関する Web ページ