Chemtool

Chemtool

Chemtool は有機化合物の分子構造図 (2D) を簡単に書けるプログラムです。 書いた図は Chemtool 独自のフォーマットで保存できる他、FIG 形式 (→Xfig)、XBM 形式、MOL 形式で出力できます。transfig パッケージがインストールされていれば LaTeX や EPS でも出力できます。

(右図をクリックすると大きく表示します。)

作者: Thomas Volk さん、Martin Kroeker さん他
ホームページ: http://ruby.chemie.uni-freiburg.de/~martin/chemtool/chemtool.html
バージョン: 1.6.3 (2004/05/18)
ライセンス: GPL
付属ドキュメント Using Chemtool を読む

使い方

インストールすると、 LinuxMLD 7 ではメイン・メニューの「グラフィックス」→「他のグラフィックアプリケーション」 に Chemtool が追加されます。 MLD 6 では「プログラム」→「グラフィック」になります。
kterm などのターミナル・エミュレータからは

$ chemtool

で起動します。

Drawing Line 起動時は、画面上部にあるツールメニューで 6角形をした Draw at 0/30/60/90 degree angles ツールが選択された状態になっています。 この状態で、キャンバス上で左ボタンを押すと時計の文字版のように 円形に並んだ点が現れ、そのままドラッグして点に近づくとその点に Snap します。またドラッグを開始するときに近くにすでに線があればその端が 新しい線の端になります。この機能を使ってベンゼン環などが簡単に描けます。

描いた線の上で中ボタンでクリックすると線の種類 (Bond) が順に切り替わります。 右ボタンでクリックすると線を削除できます。

テキストは、ツールメニューの下にある入力欄にテキストを入力してから 記入したい位置を左ボタンでクリックすると書き込まれます。 文字の前に _^ をつけると 下付き、上付きを指定できます。@ を付けるとギリシャ文字 (@a でαなど) や 特殊なシンボル文字 (@" で∀など) になります。

man page では

    yen -> infinity

のように説明されていますが、この yen は ISO8859-1 文字セットの ¥ (コード 0xa5) のことです。

Tools メニューで Templates ダイアログを表示したり、 分子量の計算などができます。分子量の計算は cht という別プログラムになっていて単独で使うこともできます (man page が用意されています)。

File menu 描いた図を保存 (Save) するときは、拡張子として .cht を付けておくとよいでしょう。このときのファイル形式は Chemtool 独自の形式ですが、Import 機能を使うと MOL や PDB 形式のファイルを読み込むことができます。

その他、 OpenBabel がインストールされていれば OpenBabel がサポートする様々なファイル形式を読み込むことができます。

MOL や PDB などのファイルを読み込むと、マウスカーソルの形が変わって、 マウス移動で読み込んだ構造の向き (X, Y, Z 方向) を変えることができます。 適当な位置でリターンキーを押すと 2D の図に変換されます。

File → Export メニューでは、XFig 形式や LaTeX, EPS 形式等でファイルを出力できます。

Export dialog

transfig パッケージをインストールしていない場合は LaTeX、EPS での出力はできません。transfig については Xfig の解説を参照してください。
なお、transfig をインストールしていないと XFig の選択ボタンもディスエーブル状態になってしまうという不具合があります。 transfig がインストールされていなくても XFig 形式の出力は可能です。 ただし、一度他のボタンを選択すると再度 XFig を選択することができなくなってしまいますので注意してください。

詳細は付属の README あるいは Using Chemtool、 および man page を参照してください。

インストール

LinuxMLD 6,7 用の RPM chemtool-1.6.3-1_mlb1.i386.rpm (259,608 bytes) をインストールします。

MLD 5 用のパッケージは用意していません。御免なさい。

rpm コマンドでインストールするには、スーパーユーザになって

# rpm -i chemtool-1.6.3-1_mlb1.i386.rpm

とします。
MLD 6 では Gnome の GUI でインストールすることもできます。

その他

Chemtool は GTK widget を使っています。 Thomas Volk さんが最初は Xlib だけを使って書き、バージョン 1.1.8 以降から Martin Kroeker さんが GTK に移植してさらに現在も改良を加えています。

参考

類似アプリケーション

[2004/05/22 作成]


このページに関する御意見、御要望を science@mlb.co.jp までお寄せ下さい
Copyright © 2004-2005 Media Lab. All Rights Reserved.