Xfig は対話的なドロー系 (ベクター形式) の描画ツールです。 円、矩形、折れ線、スプライン曲線、テキストなどの オブジェクトを組み合わせることによって図を作成します。
LinuxMLD 7、 MLD 6 には日本語対応した xfig-3.2.3d を収録しています。
(右図をクリックすると大きく表示します。)
作者: Brian V. Smith さん他
URL :
http://www.xfig.org/
(リポジトリ・サイト)
バージョン: 3.2.3d (2001/05/29)
ライセンス: Freeware
付属ドキュメント
Xfig User Manual (日本語) を読む
Xfig は上記リポジトリ・サイトのほか CTAN でも配布されています (graphics/xfig)。
注) 現在 Ver.3.2.4 が配布されており、このバージョンから RPM パッケージも配布されるようになりました。ただし、この RPM は国際化対応されているものの glibc のロケール環境に適合した config になっていないので LinuxMLD では日本語が正しく扱えません。
注2) 2007年3月に Ver.3.2.5 が出ているようです。
MLD 5 には Ver.3.2.3c
が収録されていますが、日本語対応がなされていないので日本語対応版を用意しました。
インストールすると LinuxMLD 7 ではメニューの「グラフィックス」→「他のグラフィックアプリケーション」に xfig が追加されます。
MLD 6 では「プログラム」→「グラフィックス」、 MLD 5 では「プログラム」→「アプリケーション」になります。
ターミナル・エミュレータからは
$ xfig
で起動します。
Xfig で図形 (オブジェクトといいます) を作成する操作の基本は、
1. 左側のボタンメニューから「すること」を選び、
2. 必要なら画面下の属性ボタンで属性を設定し、
3. マウスで対象あるいは場所を選ぶ
という手順になります。
例として円を描いてみます。左側のボタンメニューの一番上が円を描くボタンです。 2つ並んでいますが、描き方がちょっと違います。 まず左にあるボタンを選んでみましょう。マウスをボタンの上に持って行くと
という「バルーン」メッセージが出て来ます。
「半径を指定して円を描く」という説明です。
最後の「(c)」はキーボードショートカットの案内です。
このボタンをマウスの左ボタンでクリックするとボタンが反転し、
「半径を指定して円を描く」モードになります。
画面下の属性ボタンが「円」オブジェクトに関係したものに変わります。 必要に応じてそれぞれのボタンを押すと属性 (この場合は線の色や幅など) を変更します (あとから変更することもできます)。
次に,マウスカーソルを描きたい円の中心点に持って行っていきます。 このとき,画面の右上にあるマウスのガイドは
このようになっています (親切ですねー)。 描きたい円の中心点を左ボタンでクリックします。 すると円が描かれてマウスの動きによって円の半径が変化します。 画面の右上のマウスのガイドは
こうなります。
そこで適当な半径になるところでもう一度左ボタンでクリックすると描き終りです。
もう一つの「円」ボタンメニューは直径を決めて円を描きます。
Xfig には、色々な分野の典型的な図形を集めたライブラリが付属しています。 でも「まだ十分とは言えないので募集中」だそうです。 ライブラリとは別に Example もかなりの数が含まれています。
オンラインマニュアルは画面上のメニューバーにある「Help」から参照することが できます。
Xfig は、その独自のフォーマット Fig 形式で図を保存 (Save) しますが、PostScript、LaTeX、JPEG、PNG、XPM など様々なフォーマットで出力 (Export) することもできます。これらの外部フォーマットへの変換には transfig パッケージが必要です。
そのほか、 Xfig の機能をすべて使うには次のような外部アプリケーションが必要です。
これらのアプリケーションの設定は、リソースファイル /usr/X11R6/lib/X11/ja/app-defaults/Fig に記述されています (英語環境なら /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults/Fig です)。 LinuxMLD で収録しているパッケージでは、MLD に含まれる適当なアプリケーションに設定を変更しています。 標準インストールでない場合もありますので、 必要に応じて追加インストールして下さい (必要な外部アプリケーションが無くても Xfig は何もエラーを出しませんので注意して下さい)。
xfig のインストールの前に transfig をインストールする必要があります。
LinuxMLD 7 では DVD-ROM から transfig-3.2.3d-9_mlb1.i386.rpm および xfig-3.2.3d-12_mlb1.i386.rpm を、 MLD 6 では Disc4 から transfig-3.2.3d-2_mlb1.i386.rpm および xfig-3.2.3d-3_mlb3.i386.rpm をインストールしてください。
MLD5 では収録されている xfig および transfig は 日本語対応になっていないので、
を get してください。
rpm コマンドでインストールするには (MLD 7 の場合)
# rpm -i transfig-3.2.3d-9_mlb1.i386.rpm # rpm -i xfig-3.2.3d-12_mlb1.i386.rpm
とします。 MLD 6、MLD 5 では .rpm ファイル名を適当に読み替えてください。
2つの RPM ファイル名を並べて書いて一度にインストールすることもできます。
# rpm -i xfig-3.2.3d-12_mlb1.i386.rpm transfig-3.2.3d-9_mlb1.i386.rpm
この場合、rpm コマンドが依存関係を調べて適切な順にインストールしてくれます。
Xfig は 1024x768 以上のスクリーンが推奨です。スクリーンが小さい場合は ボタンのレイアウトが自動調整されますが、あえて小さい画面で出すには
$ xfig -pwidth 8 -pheight 5.5 -but_per_row 3
のように起動します。 これらはリソースで設定することもできます。
カラーで表示するには ~/.Xresources に
*customization: -color
という行を書いておきます
(これを書いておくと xcalc, xedit などもカラー表示になります)。
~/.Xresources の設定は X の起動時に読み込まれます。
X を再起動しないで反映させるには
$ xrdb -merge ~/.Xresources
を実行します (詳しくは xrdb のマニュアルページを参照して下さい)。
その他のリソースの設定は付属マニュアルを参照して下さい。
HTML版 のマニュアル (日本語) は
/usr/share/xfig/html/japanese/index.html に、
Help で表示される PDF版 のガイドは
/usr/share/xfig/xfig-howto.pdf に、
Examples は /usr/share/doc/xfig-3.2.3d/Examples にあります。
MLD 5 用の xfig-3.2.3c では、HTML版 のマニュアルは /usr/X11R6/lib/X11/xfig/html/japanese/index.html、 PDF版 のガイドは /usr/X11R6/lib/X11/xfig/xfig-howto.pdf にあります。
xfig-3.2.3c の Library にはいくつか不完全な図 (例えば Computers に含まれる minitower.fig) が含まれているようです。Library の選択パネルでそれらのライブラリを選択すると、
File /usr/X11R6/lib/X11/xfig/Libraries/Computers/minitower.fig: Deleting box, arcbox or picture containing fewer than 4 points
のような警告メッセージが出ますが、このとき、メッセージパネルの「Dismiss」 ボタンが押せません。一度 Library の選択を Cancel すると押せるようになります。
これは 3.2.3c でチェックが厳しくなったのが原因のようです。 Computers/minitower.fig は 116 行目を
2 1 0 0 33 7 19 0 20 0.000 2 0 -1 0 0 3
と修正するとエラーが出なくなるようです。 また、Hospital/film_digitizer.fig は 50 行目を
2 1 0 1 -1 -1 2 0 -1 0.000 0 0 0 0 0 1
と修正するとエラーが出なくなります。
3.2.3d では修正されています。
Web 上の参考になるページを御紹介します。
Xfig 入門のページもあります。 HTML版 の日本語マニュアルも佐藤さんの手に成るものです。