Garlic はタンパク質など PDB 形式で記述された分子座標から分子を可視化するプログラムです。
(右図をクリックすると大きく表示します。画質は多少落しています。)
作者: Damir Zucic さん
ホームページ:
http://garlic.mefos.hr/garlic/
バージョン: 1.3 (2003/04/01)
ライセンス: GPL
READMEを読む
付属ドキュメントを読む (ホームページと同内容)
チュートリアル
コマンドリファレンス
類似のアプリケーションは多いのですが、Garlic は Xlib だけで書かれていて特別なツールキット (ライブラリ) を必要とせず、プログラムも小さくてシンプルです。
Garlic のホームページは
CCP14
(Collaborative Computational Project Number 14) で
ミラー
されています。
インストールしたら、 適当なターミナル・エミュレータから
$ garlic
で起動します。
Garlic では基本的にはコマンドで操作します。
入力したコマンドやメッセージは画面下部に表示されます。
表示した分子の位置や方向の操作は
キーパッドあるいは画面右のパネルでも行えるようになっています。
(最初に覚えるべきコマンド) 終了は exit または quit です。
いくつかのサンプルデータが /usr/share/garlic/
にあります。
PDB ファイルを読み込むコマンドは load です
(ほとんどのコマンドは3文字で区別が付くようになっていて、load
は loa と短縮できます)。
load /usr/share/garlic/trp.pdb
とすると下のように tryptophan のデータが表示されます。
load コマンドにはサーチパスがあります。 与えられたファイルが見つからない場合は
MOL_DIR
が定義されていればそのディレクトリで探します。
MOL_PATH
が定義されていれば
(シェルの環境変数 PATH
と同じように)
:
で区切られたディレクトリを順に探します。
ファイル名が $HOME
や ~
(チルダ)
で始まっている場合はホームディレクトリが探索されます。
MOL_PATH
の方を使うことが推奨されていますので
一例ですが garlic を起動する前に
$ export MOL_PATH="$HOME/my_mol:/usr/share/garlic"
のように環境変数をセットしておくのがよいでしょう。
~/.bashrc
に記述しておけば毎回入力する手間が省けます。
キーパッドを操作していろいろ表示を変えてみてください。 コマンド atom で 0 から 7 までの数値を指定すると原子の表示の大きさを変更できます (0 を指定すると表示しません)。ball とか big と指定することもできます。 コマンド bond は原子間の結合の線の太さを 0 から 5 までの数値で指定します。
stereo
でステレオ表示することができます。立体視できる方はやってみてください。 もとに戻すのは stereo off です。
表示している原子の上にマウスを持っていくと右側の操作パネルの下にいろいろな情報が表示されます。 原子の上でマウスクリックすると原子間の距離や角度がメインウィンドウの下部に表示されます。
Garlic はコマンド exec
でスクリプトを実行できます。
exec で与えたファイル名も load と同じようにサーチパスを使った探索が行われます (Version 1.1 までは exec にはサーチパスが効きませんでした)。
いくつかのデモスクリプトが/usr/share/garlic/
にあります。これらのスクリプトは /usr/share/garlic/
にあるサンプルデータを参照するので
このディレクトリがサーチパスに含まれている必要があります。
以下、サーチパスに /usr/share/garlic
が含まれていると仮定します。
exec atoms.script
と入力してみてください。下のように表示されます。
このページの冒頭で表示しているのは
rainbow.script
を実行したものです。
起動時に -h (あるいは --help) を付けるとへルプを表示します。 man ページも (Zhaoway さんの協力により) 用意されています。
$ man garlic
チュートリアル、コマンドリファレンスを含む詳しい HTML ドキュメント
(ホームページと同じ内容) は
Garlic のホームページで配布されていますので、
Download のページから
garlic-1.3-doc.tar.gz
(約 1.1MB) を別途入手してください。
適当なディレクトリで
$ tar xzf garlic-1.3-doc.tar.gz
として展開します。
LinuxMLD 5,6,7 用の RPM
garlic-1.3-1_mlb1.i386.rpm (205,975 bytes)
をインストールします。
rpm コマンドでインストールするにはスーパーユーザになって
# rpm -i garlic-1.3-1_mlb1.i386.rpm
とします。
MLD 5,6 では
Gnome の GUI でインストールすることもできます。
ウィンドウのサイズや、bond の初期値などはあらかじめ指定しておくことができます。 初期設定ファイルは次の順で探索されます。
.garlicrc
$HOME/.garlicrc
$HOME/garlic/.garlicrc
/etc/garlicrc
/usr/local/share/garlic/.garlicrc
/usr/share/garlic/.garlicrc
自分専用の設定を行うには、/usr/share/garlic/.garlicrc
を
ホームディレクトリにコピーして編集するとよいでしょう。
上記の 5, 6 番目のディレクトリはオリジナルではそれぞれ
/usr/local/lib/garlic/.garlicrc
、
/usr/lib/garlic/.garlicrc
なのですが、FHS
に準拠するようにメディアラボで修正を加えています。
Web 上の参考になるページを御紹介します。
その他、分子構造に関するサイトの情報、および類似のアプリケーションについては Garlic の HTML ドキュメントに含まれる
が参考になるでしょう。