Vine Linux 2.1.5 (FTP 版) での
Science-Pack Vol.1A
の動作確認をおこないました。残念ながら、Vine Linux 2.1.5 と MLD5
では共有ライブラリのバージョンが一致しないものがあり、
動作するアプリケーションは多くはありません。
作業は、日経 Linux 2001 年 5 月号付録 CD-ROM に収録の FTP 版を
フルインストールしておこないました。
1) Try! on CD での動作
Vine Linux 2.1.5 の /bin/sh
は、bash 1.14.7 にシンボリック・
リンクしており、Try! on CD のシェルスクリプトが実行できません。
フルインストールした場合は bash 2.04 もインストールされていますので
/bin/sh
のシンボリック・リンクを bash2 に変更します。
# cd /bin # ln -sf bash2 sh
これで以下のアプリケーションが動作します。
Vine Linux 2.1.5 には MesaGL が含まれていませんが、Vine Plus 2.1 に含まれる Mesa-3.2.1、Mesa-common-3.2.1 をインストールすれば、次のアプリケーションも 動作します。
ただし (MesaGL とは無関係ですが)、いずれも日本語環境では メニューあるいはダイアログなどで日本語を表示しようとして文字化けします (Chemtool を含め、これらのアプリケーションは 元々日本語対応していないので、MLD5 では日本語にはなりません。 なお、Vine Linux 2.1.5 で ロケールを C にするには環境変数 LANG だけでなく LC_ALL、LANGUAGE も C にする必要があります)。
その他のアプリケーションは、共有ライブラリのバージョンの違いによって 動作しません (Gnome Flow は共有ライブラリの問題はないはずですが、 異常終了してしまいます)。
バージョンが一致しない共有ライブラリのうち、Xaw3d は本質的な違いは無いはずなので、
# cd /usr/X11R6/lib # ln -s libXaw3d.so.6.1 libXaw3d.so.7 # /sbin/ldconfig
として、次のアプリケーションを動作させることができます。
(Xaw は違いがありますが、Xaw3d と同様にすると Pcb は動作するようです。 その他の共有ライブラリも同じようにして解決するかもしれませんが、 互換ではないので自己責任で行なってください。)
参考までに、動作しないアプリケーションが要求する共有ライブラリ等 (Vine 2.1.5 に無いもの) をリストしておきます。
R libreadline.so.4.1, libncurses.so.5, GLIBC_2.2 ACS libstdc++-libc6.2-2.so.3 Algae libreadline.so.4.1 Calc libreadline.so.4.1, libhistory.so.4.1, libncurses.so.5, GLIBC_2.2 chemeq libstdc++-libc6.2-2.so.3 FElt(felt) libreadline.so.4.1 gnuplot libreadline.so.4.1, libncurses.so.5 gonvert pygtk >= 0.6.6 GPeriodic(1.3.2) libreadline.so.4.1 Gri libstdc++-libc6.2-2.so.3 Octave libncurses.so.5, libstdc++-libc6.2-2.so.3 OpenMotif GLIBC_2.2 OpenUniverse libstdc++-libc6.2-2.so.3 PARI-GP libreadline.so.4.1, libncurses.so.5 QCad libqt.so.2, libstdc++-libc6.2-2.so.3 rCalc libreadline.so.4.1 GLIBC_2.2 RlaB libreadline.so.4.1 RTP libqt.so.2, libstdc++-libc6.2-2.so.3 Scilab libtcl8.3.so, libtk8.3.so Spice libreadline.so.4.1, GLIBC_2.2 surf libgmp.so.3, libstdc++-libc6.2-2.so.3 TkGate libtcl8.3.so, libtk8.3.so tkmatrix libgmp.so.3 Topaz libncurses.so.5, libreadline.so.4.1, libhistory.so.4.1, libstdc++-libc6.2-2.so.3 Viewmol GLIBC_2.2 XDrawChem libqt.so.2, libstdc++-libc6.2-2.so.3 XmStat libstdc++-libc6.2-2.so.3 Xpdf libstdc++-libc6.2-2.so.3 XTide libstdc++-libc6.2-2.so.3 Yacas libstdc++-libc6.2-2.so.3
2) RPM のインストール
Vine 2.1.5 の rpm-3.06 では rpm バージョン4の RPM が 扱えるようになっています。Try! on CD で動作するアプリケーションは インストールすることができます。
FeynmanGraph、pasu の RPM をインストールしようとすると Tcl/Tk 8.3 が必要と云われますが、
# rpm -i --nodeps
でインストールして問題ないようです。
OpenMotif はインストールできませんが、 Vine Plus 2.1 の lesstif-0.91.0-0vl2.i386.rpm をインストールすれば 以下の Motif アプリケーションはインストールできます。
XmStat は g++ ライブラリのバージョンの違いにより インストールできませんが、XmStat のオリジナル配布には 完全 static link したバイナリが含まれていて、それは動作します。
Xfig、Ngraph のフォントなどの設定は システムのインストール状態に応じて 変更する必要があります。
Vine Plus 2.1 の octave、gnuplot をインストールすれば
は動作します。
なお、Vine 2.1.5 ではファイルのディレクトリ構成は FSSTND を採用しており、 MLD5 の FHS とは異なっています。
FHS FSSTND /usr/share/doc /usr/doc ドキュメントディレクトリ /usr/share/man /usr/man マニュアルディレクトリ
実際には Vine 2.1.5 では一部のパッケージは FHS になっており、 混在しても特に問題はないようです。